2021 年に向けた IT プランニング

Gartner の最新予測1によると、2020 年の全世界の IT 支出は、2019 年から 8% 減の合計 3 兆 4,000 億ドルになる見通しです。この景気後退にすべてを一律にコストカットすることで対処しがちですが、成功を収めている IT リーダーは、悪いところだけを探して、修正するアプローチをとっています。CIO に必要なのは、タイムリーにインサイトを引き出し、経営陣と戦略的な議論をするためのプランニングおよび分析力です。

2021 年の予算策定とプランニングという機会

この混乱期に力強く生き抜く組織は、十分な計画とフォーキャストをアジャイルで行っています。

多くの組織にはこのアジリティが欠けており、ファイナンス リーダーはスプレッドシートによるプランニング プロセスに頼っています。これは、IT 部門で特に顕著に表れており、企業の財務システムがでは詳細な情報が参照できないため、マネージャーはデータに基づいた意思決定を下すことができずにいます。

IT コスト モデルの複雑化に加え、プランニング サイクルが短縮される (四半期単位、月単位、常時など) 傾向にある中で、IT 支出の管理はさらに難しくなっています。既存のプロセスは、顧客からの要求とそのプレッシャーで破綻寸前です。テクノロジーのコスト構造が不透明かつ複雑だと、データに基づく意思決定ができず、無駄な支出をなくし、ビジネスクリティカルな活動に予算を再配分することができません。その結果、支出の重複、予算の水増し、ビジネスの成長に必要なイニシアチブの資金不足を招いてしまいます。

IT リーダーは、予算オーナーに責任を問うことに苦労しています。このような現在の混乱からいつ脱却できるのか、それともさらなる混乱が迫っているのか、先行きが不透明な経済状況ではまったくわかりません。

この記事では、2021 年のプランニング プロセスを向上させるためのステップと、Apptio IT Financial Management Foundation がその実施にどう役立つのかを説明します。

2021 年の予算策定とプランニングの 4 ステップ

#1 スプレッドシート集めをやめる

Excel ベースのシステムは、どうしても脆くて静的になるうえ、管理に手間がかかり、どの財務管理プロセスでも摩擦を生んでいます。ばらばらなシステムからデータを手作業で集めてクレンジングしていれば、エネルギーや集中力が削がれ、最適化の機会が見えなくなります。IT ファイナンスは事後対応型になってしまい、戦略的なビジネス パートナーとはほど遠くなります。

Apptio IT Financial Management Foundation は、価値の低いデータの収集とクレンジングから、インサイト獲得と戦略的提案へと労力をシフトさせます。目的に特化した IT ファイナンス管理ソリューションである Apptio は、標準ベースのコスト モデルに基づく単一情報源となり、テクノロジー支出の詳細ビューを提供して、組織各署の主なビジネス リーダーにインサイトを正確に伝えます。

#2 予算プロセスを加速する

自社開発システムは、従来のビジネスでは機能していました。ですが、スピード、アジリティ、レジリエンスに対応できるものではありません。様々なソースからデータを手作業で取り込んでいれば、モデルにタイムラグがどうしても生じます。ビジネスの戦略に合わせてコストを再調整する場合、ほとんどのモデルでは、効果的なシナリオの実行に必要な細かい可視化が足りていません。

Apptio IT Financial Management Foundation は、予測とシナリオ プランニングをレスポンシブに行います。コスト最適化のインサイトにより、コストカット、延期、または重要な優先事項への再投資が可能な機会を特定できます。

#3 水増しを削減し、イノベーションに資金を出す

IT のコストセンター オーナーは予算の水増しによってプロジェクトやプログラムの予算を死守します。

コストセンター オーナーにすれば、計算が間違っていた場合に年度半ばで調整できるかどうかが不確定なので、年次計画プロセスは予算を水増しして年度末を無傷で迎えるための唯一の機会なのです。予算の水増しは守りの姿勢であり、それを取らせているのは効率の悪い計画プロセスです。

Apptio IT Financial Management Foundation を採用すると、新しい資金調達モデルの基準の確立を推し進めて、差異や水増しを計画の 1% 以内に削減できます。財務チームと製品チームに統合型ソリューションを導入し、コスト データの整理、製品開発に必要な予算の確保、最適化、計画、トラッキングのすべてを単一ソリューションで行うことにより、年間 3 – 5% の支出を運用からビジネスの成長に必要な支出にシフトできます。

#4 戦略的計画を運用計画に変換する

意思決定が分断されていてテクノロジー支出の効率が悪ければ、テクノロジーの全コストに関する意思決定を完全には把握できません。この戦略と運営の断絶は信ぴょう性、信頼、協力関係を損ない、IT 部門を価値あるビジネス パートナーではなくオーバーヘッドにしています。そもそも守勢に立っている IT ファイナンスは、事後対応のスパイラルから抜け出せず、それが意思決定の遅れや潜在的な誤りにつながります。

Apptio IT Financial Management Foundation は、わかりやすい共通のビジネス用語によってアカウンタビリティを高め、予測をしやすくすることにより、関係部署とのコラボレーションをスムーズにします。CIO と CFO が同じ情報とプロセスを持つことで、共通の基盤で迅速かつ確実に判断することができます。その結果、IT ファイナンスチームは、データやスプレッドシートの処理役から解放されて一緒に考えるパートナーになり、「発言権を持つ」ことができます。

詳細については、eBook『2021 年の予算策定とプランニング』をご覧ください。

1 https://www.gartner.com/en/newsroom/press-releases/2020-05-13-gartner-says-global-it-spending-to-decline-8-percent-in-2020-due-to-impact-of-covid19

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